宮殿の静かな側。ソウルの人たちがそっと移り住んだ町
宮殿の西、低い家並みの落ち着いた街 — 誰も気づかないうちに、ソウルの人たちがそっと移り住んでいた。振れ幅が大きい。公務員の飲み屋もあれば市内屈指のバーもあり、昔ながらの食堂の隣に新しい店が並び、小さな家々のあいだには思ったよりずっと多くの店が隠れてる。
写真なし、星の評価なし — 友達に話すことだけ。ソウルに住んでる僕が実際に通う場所が、この街に93か所。
ガイドを開く歩く順で見るなら: 西村の散歩コース。
西村の精進料理(사찰음식)の店で、韓屋で出すのは完全に植物性のコース。行きつけじゃないが、ベジタリアンを連れて行くならここ。
醤油ダレのチョッパル(豚足)に癖になる辛味、唐辛子が深く効いたカムジャタンも。2017年から毎年ビブグルマン。
メニューのない韓屋バー。気分と度数を伝えると、その場で一杯を仕立ててくれる。
まだ行けてない。2002年からソウルで焙煎してきた、第一世代スペシャルティロースターの韓屋カフェ。
ミシュランの星付きシェフふたりが遊びで立ち上げたチキンブランド。揚げたししとうと煮干しをどっさり — これが効く。
まだ行けてない。社稷路の端に新しくできたパン屋で、煉瓦造りの3フロアは階ごとに空気が違う。
一棟まるごと韓国の現代工芸。下の階で器やソバン(脚つきの小さな膳)を買えて、上は展示。
松の中庭を囲む韓屋で、韓牛(韓国の最高級牛)を練炭火で。西村(ソチョン)で国賓気分の晩餐ならここ。
景福宮駅そばの韓屋で食べるマッククス(冷たい蕎麦麺)。どの一杯を選んでも、ポッサムを付けるのがお決まり。
Bar Chamの第三幕。旬の韓国の素材に発酵のアクセント、リストは四半期ごとに総入れ替え。
ソガルビ(牛カルビ)の下にはオークの薪火、締めはまっとうな平壌冷麺。西村(ソチョン)で僕が特に好きな店のひとつ。
テイラーの5店舗目にして初のパティスリー。石垣に向かって、皿盛りのデザートとクリームコーヒー。
私立美術館にして西村(ソチョン)デートコースの定番 — 写真とデザインの展示に、ちゃんと行列ができる。
旧・通義洞郵便局に入ったキャメルの西村(ソチョン)店。景福宮の西門、迎秋門の真向かい。
江陵(カンヌン)発のファブリックと暮らしの店が、西村(ソチョン)に出した支店。下にラグと布、上に台所道具。
紳士靴を本気で扱う店。Alden、Crockett & Jones、J.M. Westonが、改装した韓屋に並ぶ。
韓屋と庭を縫って続くウィメンズの旗艦店。服がギャラリーの作品みたいに掛かってる。
週末だけ開く店。路地が尽きる場所の小さな中庭に、ヴィンテージの皿と台所道具と服。
何でも屋じゃなくチノ専門。フィットと自社のスーピマコットンを軸に仕立てる韓国のトラウザーズ。
海雲台(ヘウンデ)のひつまぶしが西村(ソチョン)に来た。釜山の本店はビブグルマン。
地下に構えるクラシックなメンズウェアの店。軸は靴で、その周りにワードローブが育ってる。
カヌレとマドレーヌを奇をてらわずに焼く店。席はテラスだけで、屋内にはない。
工芸として作る韓国の匙と箸。改修した韓屋に、ブランド初の店と入れ替わる展示。
2階のヴィンテージと古着の店。新旧のデザイナーズに、新品のストックも混ざる。
パリ・マレの本屋のソウル分室。アートブックと雑誌がパリと変わらない速さで届く。
モノハの小さな西村(ソチョン)分室、普段使いに寄せて選んだオブジェと服。店巡りの途中に挟むといい。
トゥティエの小物の棚。財布、ポーチ、オブジェ — バッグはほとんど別の店にある。
階段を4階分上がった先に、シェーカーボックスとDavid Mellor。窓いっぱいに仁王山(イヌァンサン)。
2008年からカフェ兼バウハウス家具のショールーム。いま座ってるその椅子が売り物。
0fr.のディレクター自身の店。2階建ての一軒家で、下が服とアクセサリー、上がキッチン用品と器。
西村(ソチョン)で一番すてきな店だと、迷わず言える。金工作家のジュエリースタジオに、欲しくなる工芸が掛かってる。
メンズクラシックの古参。靴からニットまで見本市で選んでくる店で、PARLOURの兄弟店でもある。
2008年から続くデザイナーズのセレクト、全3フロア。てっぺんには店主自身のギャラリー。
静かな路地に構えるアーキビストの本店。焙煎も焼き菓子も自前で、お目当てはアインシュペナー。
ギャラリーのリズムで回るアートブックの店 — 展示、ブックトーク、展示に合わせて入れ替わる棚。
レーベルが生まれた西村(ソチョン)に戻ってきた、アモーメント初の旗艦店。100坪のアーカイブとインスタレーションと服。
アモーメント旗艦店の表のスペシャルティコーヒーバー。浅煎りとテラス、8時には開いてる。
済州(チェジュ)生まれの雑貨店。友達の部屋みたいな並びで、棚のものは全部買って帰れる。
韓国の器が気になる人がいたら、僕はここへ連れて行く — まず展示、それから普段使いの器が買える店。
おばあさんのレシピで作る、平壌式の穏やかなマンドゥグク(澄んだ餃子スープ)。ビブグルマンで、行列は必至。
ソウルジプシーの3軒目のタップルーム。テーマは発酵で、ピザ生地は醸造所の自家酵母で起こす。
アイビーとアメカジのヴィンテージ、全部店主が日本で仕入れてくる。名前の出どころは1965年の写真集。
山小屋みたいに木を組んだ煉瓦小屋のバー。静かな路地でワインとオリジナルカクテル。
40年選手のトンダク(鶏の丸揚げ)。衣は薄くパリッと、ジャガイモは毎日その場で切る。
まだ行けてない。デザートも皿で出す高級果物店 — ケーキは一度も凍らせない果物で作る。
まだ入れてない。刺身と鮨のカウンター居酒屋で、予約は数週間先まで埋まってる。2人以上なら日本酒かワインを1本頼む決まり。
韓国画の巨匠が残したままの1930年代の家。暖炉が3つ、造り込まれた庭、玄関で靴を脱ぐ。
鄭敾(チョン・ソン)が描いた渓谷を、1970年代のアパートの下から掘り起こした — 花崗岩も沢も、そのまま。
韓国のグルメガイド「ブルーリボン」に選ばれた、自家培養ルヴァンのサワードウ。肉なしの目玉はハラペーニョと溶けるチーズのサンド。
まだ行けてない。釉薬に語らせる陶芸スタジオの店。名前はそのまま「釉薬を掛ける」の意。
まだ行けてない。プチガトーの静かなパティスリーで、みんなが撮ってるのはローズエッグ。
Apotheke Fragranceの韓国正規取扱店 — 3階にお香と、控えめな輸入品。
一軒屋のレトロ中華。唐辛子カンチャジャン(汁なしジャージャー麺)はブルダック級、普通のも負けてない。
延南洞のカフェバーの第二幕、狙いは仁王山。4階の窓、その上に屋上、夜はウイスキー。
まだ行けてない。昼はエビ出汁のうどん、日が落ちるとグラス売りの飲み屋に変わる。
漢南でおなじみだった友人の店が、西村(ソチョン)の韓屋で生まれ変わった。新しいシナモンロールが本気でうまい。
コペンハーゲンを店にしたような一軒。カップにはCoffee Collective、棚にはA.C. Perch's、パンにはハニーバター。
Stayfolioの審美眼を一軒に凝縮 — 上質な宿のプラットフォームが、紹介する宿で使われている道具を売ってる。
Bar Chamの2軒目は果実とハーブが土台。カクテルの名は、店を囲む西村(ソチョン)の町から取ってる。
まだ行けてない。その日の刺身と炭火でやる通仁洞の居酒屋で、遅くまで開いてる。
使い込んだヨーロッパの応接間みたいな、地下のジャズバー。ライブは週4夜。
アジアのベストバー50で6位。輸入酒の定位置に地方の焼酎とトドク(ツルニンジン)を据えて、韓国のもので口説いてくる。
まだ行けてない。一品勝負の老舗で、釜の蓋の上に豚バラ600g、脇でキムチが焼ける。
昼はブランチカフェ、夜は自然派ワインバー — 同じ空間が二つの顔を持つ。
手帳メーカーの直営店。マンスリー手帳、マスキングテープ、革の小物。
楼下洞(ヌハドン)に構えたスペシャルティロースターの韓屋。豆は自家焙煎で、それがエスプレッソに出てる。
まだ行けてない。ハンドドリップとバスクチーズケーキの、龍山のあの洞窟カフェが西村(ソチョン)にも現れた。
2011年からのスペシャルティロースター。小さな十字路を挟んでマニュファクトコーヒーと向かい合う — 角ひとつに焙煎所が2軒。
延禧(ヨニ)生まれのロースターの最新店。あえてのシンプル: ミルク系、シングルオリジン、共用テーブルが1卓。
まだ行けてない。市が復元した1930年代の韓屋で、門・井戸・氷室が揃って残るのはソウルでここだけ。
まだ行けてないが、ホン・ゴニク家屋の通りにある、フォカッチャサンドの店。ベジ枠はフムスの皿。
まだ行けてない。オープントーストの小さなブランチ屋で、売り切れて16時には閉まる。
まだ行けてない。茶葉を自分で淹れる韓屋のティールームで、2階はヨガ。静けさも計算のうち。
まだ行けてない。フレンチ寄りの小さなビストロで、名前が挙がるのはジャガイモにオレキエッテを合わせた「アリのグラタン」。
地下と1階のセレクトショップ。トレンド最前線のレーベルを、2フロアに幅広く並べる。
塊のまま出てくる豚は、かぶりつきがいのある厚さで、店の人が焼いてくれる。「人生最高」の評判がついて回る。
まだ行けてない。一品だけの店 — 豚コプチャン(豚ホルモン)をひと鍋ずつ炒めて、その日の分が尽きたら終い。
フォーミュラの2番目の作業場。半分アトリエ、半分ショールーム — 解放村(ヘバンチョン)のロースターの静かな一面。
店先であらかじめ炙っておくチョッカルビ(甘辛い豚の骨付きカルビ)。煙が看板代わり、あとはタレの照りがものを言う。
その日揚がった魚しか出さない海鮮ポチャ(屋台酒場)。持ち越しなし、産地は黒板に。
まだ行けてないが、季節の小皿でやるワインとシャンパンのバー。牡蠣は1個から頼める。
西村(ソチョン)で伝説級の、肴で飲ませる海鮮酒場。人気があるぶん待ちが長い。僕はまず近くの店を勧めてる。
熱した鉄板の上のガーリックチキン。タレは最後のひと切れまで煮詰まっていく。
みんなが「参鶏湯」で思い浮かべるのはここ。韓屋の部屋が迷路みたいに続いて、列は速く動く。
スジェビ(すいとん)を頼めば麦飯が無料でつく。逆でも同じで、どっちを頼んでも両方食べられる。
モダンなメキシカンのタコス。いまは夜のコース一本で、トルティーヤはオーナーの父が育てたトウモロコシで毎日つくる。
2015年から店内で作るジェラートに、本場イタリアのお墨付き。絵になるのはアフォガート。
宮中料理を、生きた研究として出す店 — 2026年のミシュラン一つ星で、星付きの中でも僕がまず挙げる数軒に入る。
いまも観光客より地元の人の市場。小さな楽しみと、食べずには帰れない油トッポッキ。
改装した韓屋に入った、本格的な和風居酒屋。刺身と魚介の煮物に絞ったメニューで、夜だけ開く。
景福宮の近くで熟成刺身を出す一軒。昼と夜でメニューが変わる、頼れる和食処。
南イタリアの海鮮トラットリア。フリットミストに漁師風パスタ、イタリアのどこかにいるような気楽さ。
済州(チェジュ)の食材をイタリアンで。島のエビ、蛸、黒豚がパスタにもメインにも並ぶ。
狙い目と入り方はガイドの中にある — 行列が短い時間帯、入り口でのコツ、韓国の電話番号がいる予約まで。
北村・安国はエリアまるごと無料。払う前に、僕を信用できるか確かめられる。
ソウルを、場面ごとに: 朝早くから · ひとりで · ベジタリアン · 深夜まで · 眺めのいい場所 · デートで
ソウルを、ジャンルごとに: カフェ · スペシャルティコーヒー · パン屋 · スイーツ · お茶 · 焼肉 · バー · 自然派ワイン · 市場 · 美術館・博物館 · 買い物 · 見どころ